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2016年11月21日月曜日

OM-D E-M1 Mark2はカテゴリーキラーか?

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OlympusからOM-D-E-M1 Mark2が正式発表されました。オリンパス初の4K動画機になります。
マイクロフォーサーズ機として熟成を進めた2代目フラグシップは主に動態撮影に強みを発揮しそうなスペックになっていますね。

注目のスペックは以下
・AF/AE追従で最高18コマ/秒の連続撮影
・121点オールクロスの像面位相差AF搭載の2037万画素Live MOSセンサー
・5.5段のボディ内5軸手振れ補正
・4K27P(シネマクオリティー)で、237Mbpsの高ビットレート
・50Mハイレゾショット
・防塵、防滴、耐低温設計

まず、連射性能が素晴らしい。

AF/AE追従のメカシャッターで10コマ/秒、電子シャッターで18コマ/秒。AF/AE固定の電子シャッターで最高60コマ/秒RAWで48コマ、JPEG LNで48コマ)、AF/AE固定のメカシャッターで最高15コマ/秒(RAWで84コマ、JPEG LNで117コマまで)

AF/AE追従のメカシャッターであれば、EOS 7D MarkIIやD500と同等ですが、電子シャッターであればEOS 1Dx MarkII超えの性能です。これがRAWで撮れるというのですから凄いスペックですね。2037万画素でAF/AE固定ですとRAWで最高48コマとのことですから、実質的には6K/30fpsフォト超え、ということになります。

動画性能は4K/30fpsですが、4K/27fpsのシネマクオリティーで237Mbpsという高いビットレートです。記録方式はMPEG-4AVC/H.264。競合機はだいたい100Mbpsですから、編集用の素材づくりには十分なクオリティーを保持しているのではないでしょうか。

静止画では50Mのハイレゾショットが可能です。8コマ撮影するので三脚は必須かと思いますが、フルサイズの高画素機に匹敵する高精細な画像を撮影することができます。

さすがにハイレゾショットを手持ち撮影可能なほど手振れ補正は効かないようですが、高いAF/AE追従性を5.5段分のボディー内5軸手振れ補正が支えます。

デモ機を手にしたユーザーのレビュー動画を見ていますが、気になる動画撮影時でのAF追従に関しても、121点オールクロスの像面位相差AFが効いているようで、E-M5 Mark2よりも素早いAFをしている印象がありますね。

やはり、動きものに関してはセンサーが像面位相差を使っていることは必須です。画像処理エンジンがパワフルであれば、5軸ボディー補正も動画でのAF追従もこなせるわけで、これが4K撮影時でも可能ということであれば、機能的にはD500は超えているのではないでしょうか?

デュアルピクセルAF搭載で4K可能な5D MarkIVに対しては連射性能でアドバンテージがありますし、プライス的には1Dx Mark2よりもはるかに安いのでコストパフォーマンスは抜群ということになります。もちろん、フルサイズ機にはセンサーサイズでの絶対的なアドバンテージがありますが、こと動態+動画の観点からみれば、センサーサイズはさほどハンディにならないということも見逃せません。

マイクロフォーサーズ機としては6Kを予告しているGH5に期待が集まっていましたが、OM-D-E-M1 Mark2はダークホースというかカテゴリーキラーとして実に魅力的なスペックでの登場となりましたね。

像面位相差搭載のマイクロフォーサーズ機なら400mmクラスのレンズがあればさらに画角も稼げますし、先日の入間基地航空祭でのFZ1000で出たようなピント迷いもなさそうです。



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2016年11月20日日曜日

DJI Mavicのピント問題とカメラのセンサー考

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DJIの小型ドローン、Mavicが話題になっていますが、「どうもピントが甘いんじゃない?」という声がドローンパイロットからちらほらと聞こえてきているので、いろいろと調べてみました。

結論的には、「タップフォーカスでピントを合わせる」これが基本仕様なのではないかな?と。
では、なぜPhantomシリーズではそういった声が出なかったのかといえば、Phantom4までは搭載カメラがパンフォーカスだから。

この違いを踏まえていないドローンユーザーが多いのではないかなと思います。

だからMavicはダメ、ということでもないのかなと。その補完技術としてDJIはActiveTrackを用意しています。ActiveTrackは被写体をタップすることで自動的に追尾して飛行し、撮影する機能で、被写体の動きにあわせてカメラと機体をコントロールするものです。

被写体の前後追尾、またはその周囲を旋回するトレースモード、被写体と並走するプロフィールモード、どこを飛行していてもカメラを被写体に向け続けるスポットライトモードの3つがあります。

Mavicでは、Active Trackを使ってタップするだけで最適なピントで被写体を追従するので、タップフォーカスを使用することが前提。一方、Phantom4までのカメラはパンフォーカスですからタップフォーカスをしなくても最適なピントが得られる、この違いがMavicのピント問題が生じた原因の一つなのでしょう。

個人的にはパンフォーカスオンリーよりはカメラと機体の制御が進んでいると思ってはいますが、一方で「DJIはなぜデフォルトでパンフォーカスに固定しなかったのか?」という疑問も出ます。

パンフォーカス固定(ピントが動かない)と、デフォルトはパンフォーカスで固定+タップフォーカスで被写体へピントを合わせるというのは似ているようで違うからでしょうか?ドローンのように前後左右に自由に動き回る場合は、被写体との距離が常にかわるのでパンフォーカスを出す場合もピント調整が必要になります。

いちおうMavicのデフォルトではピントはセンターでCボタンを押すことで合わせる仕様。

この点が特定の被写体追従ではない普通の空撮する場合、(Cボタンを押さない限り)ピントが甘いと言われる理由なのかもしれません。

MavicではタップフォーカスとActiveTrackで撮影できるぐらい、姿勢の制御に自信がある分、精度の面で甘さが残るということなのかもしれませんが、それでも飛ばしながら簡単に撮影ができるというのはDJIの技術レベルの高さを物語っている、ということもできます。

より上級者用のInspireシリーズでは、フォーカスコントローラーがありパイロットとカメラマンを別にできる仕様にもなっています。

また、最新のPhantom4 proでは、1インチセンサーのカメラを搭載し、4K60fpsでの撮影が可能となりました。また、パンフォーカス固定ではなくタップフォーカスができます。

4Kですとピントの甘さが映像の甘さに直結するので、このあたりのフィーリングはどうなのだろうか?といったことや、カメラのスペックを見ている限り、もしかしたらセンサーに像面位相差センサーを搭載しているのか?といった期待も高まります。

1インチセンサーで像面位相差を搭載したのは民生機ではRX100Vが初めて(のはず…)。

Inspire2の搭載カメラ、1インチセンサーのZenmuse X4SやマイクロフォーサーズのZenmuse X5Sなどのセンサー仕様も気になるところですね。









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2016年11月13日日曜日

初代7DとFZ1000で挑んだ入間基地航空祭2016

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初代7D使いがD500でもα6300でもなくFZ1000を導入した理由、でも綴っているように、動体撮影での肝はセンサー性能に尽きると結論づけまして、初代7Dの買い替えのかわりにコスパ最高(当時)であったFZ1000を導入したのは2016年の4月でした。

その後、REDBULLエアレース千葉2016を経て、入間基地航空祭2016に行ってきました。その間、D500は順調に売れているようで、α6500は出るは、RX10IIIは出るは、1DXMarkII、5DMarkIV、あげくはα99IIも出て、F8が使える80Dも気になるところではありますが、まだ初代7Dのままです。

入間基地航空祭は昨年につづいて2度目。去年はそこそこ撮影満足度が高かったこともあり、油断して静止画では立ち位置間違えたり画角追い込みすぎたり…。

動画に関してはFZ1000で、C-1輸送機と空挺部隊の降下は4K撮影。外来機ヘリの帰投はFHDで撮影です。(外来機の帰投をFHDにしたのはバッテリーが厳しかったからで、4KでもFHDでも基本的な撮影性能はかわりありません。)

静止画に関してはブルーインパルスとF15の帰投シーンを7D+EF100-400mmIS IIで。
この機材仕様もレッドブルの時と同じです。

動画に関しては、「やっぱりFZ1000のAFCはこういう晴天時の撮影環境だと弱いよね」というもの。

静止画に関しては「7DのAFエリアの狭さは辛いけど、そこそこ画角が稼げているから欲をいえばもう少し連射性能が欲しいね」という感じでした。


C-1輸送機くらいの速度であれば、FZ1000のAFCでも追えるんじゃない?という感じでためしてみたのですが、見事に弱点が出た感じ。

晴天だったこともあり、被写体がはっきりしてくるまでは迷うわけです。このくらいの速度であれば、AFS+マニュアルフォーカスのほうがきっちり捉えられるかもしれませんね。

しかしながら、この動画の元は4Kなのでどのシーンでも800万画素程度で1枚切り出せるというのは魅力といえば、魅力です。


ヘリの帰投シーンはFZ1000のAFはほとんど迷うことはありません。このくらい近くて被写体のコントラストがはっきりしてくると特に気になることはありませんね。

Formation flight by Inspiration TTW on 500px.com


静止画に関しては画角を追い込みすぎて被写体を外すことのほうが多かったので、これ以上のズームよりも連射速度のほうが欲しくなりました。

ただ、動画にしても静止画にしても現状の機材であれば撮影技術でカバーできるような気もしなくもないというところで、投資をして機材を買い換えるほうが良いのか、現行のまま技術レベルを磨いたほうがよいのかは常に葛藤するところです。

機材の性能を1.センサー性能、2.AF性能、3.連射速度(解像度とコマ数)、4.画角、5.撮影技術、の5つにわけて、それぞれを静止画と動画の観点から理想の機材像について考えると、たぶん1DXMarkIIがベストソリューションなのだろうと思いますけどね…。

このところ登場している機材も魅力的なものが増えてきているので、たとえばα99IIならどうなのか?とか、α6500やRX10IIIは?とか、これからいろいろ考えてみたいと思います。




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